最近とこプリでご相談が増えているアクリル製品。アクリルに直接印刷できるUVプリンターで、等身大アクリルスタンド、アクリルプレート看板、アクリルスタンド、アクリルサインなど様々なアクリル製品を製作しております。
このアクリル製品は元となるアクリルが透明なため、スチレン製のパネルなどとは入稿データの制作方法が少し違います。
それは、カラーインクだけで印刷すると、デザインが半透明・透けてしまうのです。
通常、紙やスチレンパネル、インクジェットメディアなどの多くは素材が白いため、白の上に印刷しています。それによって意匠が成り立っています。
しかし、アクリルは透明ですので、いつも通り印刷するだけではダメなのです。そこで必要になるのが2層印刷です。透けさせたくない場所には、白インクで印刷し、その上にカラーインクで印刷するという2層の印刷を行います。
そのため、アクリル製品を製作する際のデータは、
カットラインデータ
デザインデータ
白引きデータ
の3つのデータが必要になり、レイヤーを分けて作成する必要があります。
今回はとこプリでも依頼が増えている高さ90cm以上の存在感抜群の大きなアクリルスタンド「アクリル等身大パネル」のデータ入稿方法についてまとめてみました。
① 準備
入稿用のデータは、IlustratorCS2以上で作成してください。
② カラーモードは統一する
CMYK・RGBどちらでも可能ですが、画像をリンクした場合Illustratorデータ、リンク画像ともに同じカラーモードに統一してください。
IllustratorはCMYKで作り、画像はRGBにしてある場合、色味がCMYK側になりますのでご注意ください。
③ 文字はアウトライン化する
文字化けを防ぐため、データ上の文字は必ずアウトライン化してください。
④ 画像について
画像解像度は実寸で150~300dpiに設定してください。
画像は埋め込まず、リンクされた状態で保存し、aiデータと同じフォルダに入れてください。
⑤ レイヤーを分ける
デザインデータと白引きデータはレイヤーを分けてください。
アクリル等身大パネルを製作する場合は、スタンドを形状に合わせて設計しますので、とこプリではカットラインデータは不要になります。
⑥ 白引きデータの作り方
【画像なしデザインの場合】
デザインデータを「Ctrl+C」でコピーし、白引きデータのレイヤーに「Ctrl+F」で貼り付けます。
デザインデータレイヤーは動かないように、レイヤーをロックします。
白引きデータレイヤーだけが選択できる状態で、「Ctrl+A」で全選択します。
全選択されている状態で、パスファインダーの「合体」をクリックします。
パスが統合されたら、パスのカラーをK100%に設定します。
白引きデータを縮小します。 白引きインクのはみ出しを防ぐため、デザインデータよりも小さめにします。 白引きデータを選択し、効果→パス→パスのオフセットをクリックします。 オフセットを「-0.2mm」に選択します。 デザインデータより0.2mm小さくなり、白引きデータが完成です。
【画像の場合】
ファイル→配置でaiファイルと同じフォルダ内に保存されている、画像を配置する。
白引きデータレイヤーを作成し、画像をデザインデータと同じ位置に「Ctrl+C」でコピーし、白引きデータレイヤーに「Ctrl+F」で貼り付けます。
白引きデータレイヤーの画像を選択し、ウィンドウ→画像トレースをクリックします。
プリセットを「シルエット」に変更します。 思うように黒く変換されない場合は、「しきい値」のスライダーを動かして調整します。
オブジェクト→画像トレース→拡張をクリックし、パス化します。 抜けてしまっている部分があるときや余分なパスがあるときは、ダイレクト選択ツールで必要ないパスを選択して消すなどして、白引きデータを作成します。
作成した白引きデータのパスを選択し、効果→パス→パスのオフセットをクリックします。オフセットを「-0.2mm」に選択します。 デザインデータより0.2mm小さくなり、白引きデータが完成です。
作成したデータで大丈夫かな?と不安に思う方も多いと思いますが、とこプリでは、印刷する前にカラーモードや解像度などをチェックしてから印刷工程に入りますので、ご安心ください!
また、入稿データを作成するのが難しそうだなと感じた方は、別途料金がかかりますが、白引きデータ作成、背景消去なども行っております。
等身大アクリルスタンドを製作してみたい方はぜひ、とこプリまでご相談ください。